17年10月8日記 『予測可能な未来は人の積極的な行動の先にあるものだけ』

先日、自分のホームページで以下のようなコメントを掲載しました。
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デイトレードでまだ儲かると考えている方は、
過去の私の投資判断のところのコメントを読み返して下さい。
毎日、20年、何らかの理屈をつけながら、
朝から深夜までさまざまな市場の値動きを見続けています。
皆さんがほかのことをしている時間もずっとチャートを見ています。
それだけ見続けて、あらゆるパターンを経験値で入れていても、
何時に押し目をつけるのかがわかりません。
日中の日経が押し目をつける時間帯は、
9時、9時30分、10時~10時30分、前引け、後場寄り、13時頃などがあります。
本日、下値堅く推移すると見ていても、大きく下げてから下値を支えられるのか、
横ばいなのかが、上の時間をたどってゆくことでしか、経過でしかわかりません。
何度仕掛けても、何度でもストップ・ロスに引っかかります。
私が馬鹿で、すぐにいろいろ忘れるから、ある程度絞り込めても、
ぴたりとは当たらないのでしょうか。
もし、私が皆さんよりもチャートを理解していると考えてもらえているなら、
デイトレードはやめましょう。
うねりとりとか、スウィングとか、勝てる売買戦略とか、
自動売買システムとかも同じです。
時間の無駄です。
投資資金の10%の利益が得られても、何か意味があるのでしょうか。
投資顧問に任せておいても同じだけの利回りが得られます。
人にとって、最も大切なものは時間です。
同じギャンブルなら、競馬や競艇の方が他の人との話題になって有意義です。
相場は話題にすらできません。
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最初に相場へ投資しようと思う場合、
当たり前ですが利益が得られるかもしれないと考えます。
たいていの人は、きっかけがまずそこからなので、
儲かる方法を探すことになります。
儲けるには、技術を磨くか、
未来を予測するかのどちらかだという結論になるでしょう。

相場の技術とは、利益に対する損失の幅を小さくするか、
勝率を上げるかのどちらかです。
勝率を上げるなら、損失の幅を許容しなければならず、
損失の幅を小さくすると、勝率が下がります。
勝率と最大損失のバランスの中で、最も利幅の大きなやり方を探るわけです。
予測も何もないたんなる技術なので、
大きな流れのすべてを取ろうとすると、想定外の大損を許容することになります。
損失の幅をなるべく小さくすれば、大きな流れの大部分を利益にできなくなります。
相場の流れは政策に影響を受けていますから、
1~3年程度、いい感じで利益を得られる状況が続くかもしれません。
しかし、大勢の流れが変化する場面で、
得られるはずの利益が得られないとか、想定外の大損を出すことになります。

相場の技術は、投資資金を倍増するものではなく、
投資資金から何%の利益を得られるかという工夫でしかありません。
長く投資を続けていれば、その積み上げてきた利益は、
たった1度の判断ミスや、想定外の出来事ですべて消し飛んでしまいます。

バブル崩壊後、多くの日本の証券会社が淘汰されてゆきました。
銀行は、国から莫大な援助を受け、吸収合併を繰り返してきました。
技術で安定的な利益を得られるなら、
なぜ、日本の証券会社のファンドのほとんどが利益にならないのでしょうか。

利益を出すための技術は、想定できる利益と同等のリスクを併せ持っています。
特定の環境下で有効であっても、
環境が変わるとまったく役に立たなくなってしまいます。
特別なことを教えているという人たちは、特定の環境下で有効な手法が、
さも未来永劫の利益を保証しているかのように話します。
技術を磨こうと考えている人たちは、
今儲からないのが自分の技術不足だと考えてしまいがちです。
しかし、本当はそうではありません。
米国の大手投資銀行グループであるリーマン・ブラザーズ・HDですら、
破たんしたのです。
相場が技術で利益出し続けられるなら、
大手の投資銀行が仕掛けられたジャンク債に飛びつくはずはないのです。

技術は知識として必要ですが、その先にゴールなどありません。
相場は、ばらまかれたお金をかき集めて、
特定の場所へ集中させるための仕掛けでしかないのです。
儲かっていると感じるのであれば、その理由は
その仕掛けに無意識で乗れているからであって、技術ではありません。

未来を予測する際、たいていの人は、
確率の高さが未来を予知していると考えます。
しかし、その考え方は間違っています。
確率は、期待値に過ぎません。
90%であっても、それが次に起こることを暗示しているわけではないのです。
確率90%としても、10%のはずれがあります。
10000ケースのシミュレーションで、確率が90%あったとします。
いざ、同ケースで投資しようとします。
10000回のケースでは、1000回のはずれがあったわけです。
その1000回のはずれのうち、10回が連続してあらわれるという状況が、
まさに、今、自分が投資しようとしている場面であらわれない
という保証がどこにあるのでしょうか。
確率90%が未来を示していると考えるなら、当然、投資額が大きくなりがちです。
だとすれば、投資額のすべてがなくなってしまうのは時間の問題です。
何十回、何百回と失敗を繰り返せば、
いずれ、確率は未来を示していないと心の底からわかります。

技術を習得し経験を積み、
未来を予測できる知識を身に着けるという作業を経過して、
失敗を積み重ね、その先にあるものは、
値幅で利益を得るための投資で儲けることができないという考えです。

実は、この考えにたどり着けないと、値動きの本質が見えてこないのです。
それまでの考え方のすべてが間違っていたことに気づいたとき、
その先にあるものが見えるようになります。
本当に考えなければいけないポイントは、値段の動き方ではなく、
現在の世の中の仕組みと、人間とはなんぞやということなのです。
人間という存在がどのようなもので、
そして人間社会というものがどういうものなのか、
そこを理解できていなければ、未来を知ることなど不可能です。
言い換えれば、人間、人間の作る社会というものの本質がわかれば、
人間の未来を容易に言い当てることができるのです。

例えば、今回、小池都知事が衆議院選挙に立候補した場合、
東京都知事の候補者として、橋下徹氏の名前が挙がりました。
橋下氏のこれまでの行動基準を理解できていない人は、
メディアの視聴率を稼ぐ戦略に引っかかるのかもしれません。
しかし、橋下氏の言動を理解できていれば、
そんなことは絶対にありえないことなど、
Twitterでの橋下氏のコメントを読むまでもなくわかります。

人の行動には、理由があり、目的があります。

相場の値動きは、
その動きによって利益を得たい側の人たちによって作られています。
価格が動く理由ははっきりしているのです。
どうやって想定の通りに価格を動かして、
利益を出すのかというやり方は限られています。
経済活動の中で毎年繰り返しあらわれる資金移動の事情を活用するか、
他人をそそのかして乗せてゆくかのどちらかしかありません。
前者は、決まった時期の動きを活用するやり方なので、
事前にわかります。
後者は、時間をかけて、じっくりと準備を整える必要があるので、
その経緯を見ることでその先を正確に予測することができます。
人が積極的な行動を起こす場合、その先には必ず目的があるのですから、
その目的を予測すればいいのです。

相場の値動きにおいて、客観的にわれわれ個人投資家がわかることは、
それだけです。
そのことをしっかりと頭に入れておけば、
失敗したとか、騙されたとか、間違えたとか、
自分を責めるようなよけいな思考のすべてを排除して、
わかることだけを前提に、
冷静に次の展開だけを考えることができるようになります。