2017年12月24日記『投機の終焉』

図表7

図表7から11は、投機による上昇と、それが終了した後の下げ場面を示しています。
図表7は、NYダウです。
2003年から5年かけて5000ドル幅以上の上げ場面を演出しましたが、
2007年10月の高値が戻り高値になった後、
だいたい1年間で上げた分のすべてを押し戻される動きになっています。
 

図表8

図表8は、日経平均株価月足です。
1980年代に入り、それまでの上昇が勢いづいて、
86年頃から、比較的急激な角度で3年以上の上げ場面を形成しています。
急激な上げになった部分のほとんどは、90年の下げ場面で一気に下落しています。
92年の下げは、冒頭で書いたように、政策の失敗もあるので、
投機の崩壊したことであらわれた下げに、少し別の要素が加わっています。
 

図表9

図表9は、NY原油期近日足です。
それまで緩やかだった上昇が、2007年以降に急激な動きになっています。
だいたい2年程度かけて一気に上昇した分の上げは、
2008年の1年間ですべてが押し戻されてしまいました。
 

図表10

図表10は、NY金期近日足です。
リーマンショック後、FRBが通貨供給量を極端に増やす過程で、
投機が積極的になって、金は、3年近い期間で、ほぼ一本調子の上昇局面へ入りました。
この上昇は、FRBの政策変更により、上値を抑えられて、
2013年の1年間だけで、一気に下げ幅を拡大しています。
 

図表11

図表11は、東京パラジウム日足です。
パラジウムは、排ガス規制が強化される中で、
自動車用触媒としての需要の高まりから、価格が上昇を開始しました。
長くじわじわと上昇した後、2000年に上げが加速しました。
2001年1月に戻り高値をつけた後、2001年の年末まで1年間で、
2000年に上げた分のすべてを押し戻されています。

前回、日経平均株価には、投機的な動きが加わっていると紹介しました。
投機的な動きは、一定の振れ幅を目安にして動いていますが、
その銘柄の状況によって、極端に人気化してしまうときがあります。
そのような場面は、その上げが終了すると、
上げた分の大部分を上昇期間よりも短い
(上昇期間が短ければ同じくらいの)期間で下げてしまいます。
何年もかけた上昇の動きだとしても、短い期間の上昇だとしても、
だいたい6か月から1年程度の期間
(その期間の下げやすい時期に一気に下げる格好になります)で、
投機が過熱して行き過ぎた分のすべてを押し戻さされることになります。
戻り高値をつけた最初の急激な下げは、
投機の離散と積極的な売りによってあらわれることで、
行き過ぎた分のすべてを押し戻されることになり、
最初の押し目をつけた後、
今の値位置が適正化を判断するためのジグザグがしばらく続くことになります。
このとき、NY金期近のように、
投機的な上げのすべてを押し戻される動きにならないと、
下げる前につけた戻り高値を多くの市場参加者が
天井だと見ていない可能性を示します。

図表12は、円・ビットコインの日足です。
価格が上昇しすぎて、ほとんどジグザグを判断できないチャートになっていますが、
17年12月に220万円を越えた地点で戻り高値をつけて、
160万円程度まで下げる展開となっています。
ビットコインは、仮想通貨で唯一、証拠金取引ができることにより、
投機の対象となってしまいました。
緩やかな上昇ならば、
紙のお金に変わるものとして流通できる可能性もありましたが、そうなりませんでした。
このような急激な動きを作ってしまうと、
通貨として使いたい側は、価格変動によるリスクを回避したいので、
別の仮想通貨を選択することになります。
ビットコインは、今回の上昇により、
投機としてイメージが強くついてしまったため、
仮想通貨として、積極的に選択される流れから離れてゆくと考えられます。

12月18日以降のビットコインの下げは、
投機が終焉した後の下げ場面だと考えられます。
だとすれば、半年から1年程度の期間で、
急激に上げた分を一気に下げる展開になると考えられます。
急落後の最初の目立った押し目をつける地点の目安は、
11月の安値である60万円前後の値位置です。
ここを大きく割れる程度まで下げることも考えられます。
早ければ、来年3月頃までに一気に60万円以下まで下げて、
その後、時間をかけて徐々に下値を掘り下げる動きへ入ると考えられます。

これまで、戻り高値をつけた後の急落後は、
すぐに押し目底を確認して上昇へ向かいました。
しかし、今回は、もう高値を越える展開にはならないと見ていた方が無難です。

このことは、仮想通貨を否定しているのではありません。
ビットコインの上昇過程では、他の仮想通貨が全体的に底上げされています。
それらは、以前にあった場所まで下げることなく、
以前よりも一段高い位置で推移する可能性があります。

図表12